思えば、前回第17回の救急整形外傷シンポジウム(EOTS)の会期中に東日本大震災という未曽有の災害に遭遇しました。幸いにして会場への影響は少なく、会長最上敦彦先生の采配のもと、無事全日程を終了し閉会しました。その後、参加者の先生方は地元に戻りそれぞれの施設や被災地での支援・治療に当たられたことと思います。残念ながら、津波による被害が多くを占めましたが、我々が整形外傷を名乗る限り今後も災害に無縁ではないことを思い知らされる出来事でした。 今回 第18回救急整形外傷シンポジウム(EOTS)を計画するにあたり、主題は「Definitive治療としての創外固定治療」「大腿骨転子下骨折」の二つを取り上げることとしました。近年開放骨折に対する初期創外固定と二期的手術による固定法の変更は盛んに言われていますが、創外固定法のもう一つの側面として重度開放骨折に対する根治療法について改めて考えたいと選びました。また、大腿骨近位の骨折の中でも治療に難渋することのある大腿骨転子下骨折を題材としました。高齢者のみならず若年者の高エネルギー外傷でも頻発することもあり、固定材料の選択とともに治療結果についての討論を期待しております。 シンポジウムとして「骨折治療に伴う合併症と解決策」と「外傷医療体制 ─外傷センターの現状と未来─」について取り上げます。外傷治療における基幹的役割を果たす外傷センターの実際についてのお話が聞けることと思います。 そして特別講演は昭和大学藤が丘病院の渥美敬教授にお願いして「外傷性大腿骨頭壊死」についてお話いただきます。 本学会の発足当初は、救急の現場にかかわる整形外科医が既存の外傷治療に新しい風を吹き込もうとすべく研究会方式で集まるものでした。純粋に学術の討議に集中し、会場をリゾート地とすることにより少しでもリラックスすることができるようにと工夫されてきました。今回も多忙を極める労働環境の中で、休暇も満足に取れない先生方にとっても、ご家族とともに少しでも長く過ごせるよう日程を考え、今回の開催地はグアムとしました。 過去2回海外での開催もありましたが、会場の関係や交通の関係で途絶えていました。比較的交通の便が良いことや短い空き時間にリフレッシュしていただけるようにと考えました。 3月のグアムは暖かいというよりは暑いかと思います。が、さらに熱い討論を期待してご参加をお待ちしております。 第18回救急整形外傷シンポジウム会長 |
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