25th Anniversary 第25回 救急整形外傷シンポジウム(EOTS)

会長挨拶

2023年3月17-18日に、第25回救急整形外傷シンポジウムを開催いたします。当初2020年3月に予定しておりましたが、COVID-19流行に伴い3回の延期を余儀なくされ、4年ぶりの開催予定となりました。引き続き会長を務めさせていただくこととなり、大変光栄に存じます。世話人の先生方および関係の方々に心より感謝申し上げます。私が高校時代に住んでいた首里の地で開催されることに「縁」を感じています。今後の感染状況を見ながらではありますが、予定通り開催ができることを祈っております。

延期の間に、EOTSを創設されました新藤正輝先生と稲田有史先生、初期から世話人として活躍されました石津恒彦先生が永眠なさいました。多くの整形外傷医を育てていただいた先生方の偉大なご功績に深い感謝と敬意を表しますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

COVID-19により様々な制限が生じましたが、Webを用いたオンラインコンテンツが急速に発展・普及したことは恩恵の一つだと思います。整形外傷に関連したWebセミナーも毎週のように開催されており、効率的に学ぶことができます。特に講義・講演など、情報を広く伝えるのに適しているなと感じています。一方でWebを介したコミュニケーションはまだFace to Faceにはかなわないというのも実感しております。症例に対する詳しいディスカッションはWebでは質問のタイミングを逃したりチャットでの文字のやり取りでは伝えにくかったりしますし、何よりも重症外傷に対する整形外傷医の熱い想いはFace to Faceの方がより伝わると感じています。私自身、第11回EOTSに「スキー目的に」参加したのですが、重症外傷に対して医局の垣根なく、世代の垣根なく、治療成績向上のために熱く議論する姿を目の当たりにし、その熱量に火をつけていただいて整形外傷医を目指すこととなったのです。今回代表世話人を務めさせていただくにあたり、私が初めて参加した時に感じた「縁」と「熱量」を、若手の先生方にも感じてもらうために、現地開催にこだわりたいと思っています。

若手の先生方が明日から使えるcommon fractureのコツとピットフォールについてパネルディスカッションを予定しています。整形外傷には「標準的治療」が必要であると同時に「Case by Case」が存在することも特徴だと思います。そのような特殊な症例を多くのマスターと議論できるのがEOTSの良いところであり、今回新しい試みとして「Short Talk」を設定しました。分野ごとに分かれ、論点を絞ったプレゼンをしていただき、今までよりディスカッション時間を長めにとれるようにしたいと思います。2024年に迫った働き方改革について、私自身何が出来なくなってどのような対策をすればよいのか今一つ理解できていない部分があります。また、多発外傷に対するDamage Control Orthopaedicsの適応を考えるうえで、他部位の損傷について早期に確認しておく必要があります。この2点につきまして教育研修講演で詳しく解説していただきます。恒例のナイトディスカッションでは、多くの整形外傷医を育てた2名のレジェンド、まさに今育てている2名のTop surgeon、そしてこれから育っていきたいと思っている2名の自燃系若手に登壇していただき、熱く語っていただく予定です。

3月中旬の沖縄は海に入るにはまだ少し肌寒いですが、天気の良い日は快適な時期です。よく学び、よく遊び、よく食べ、よく飲んで、充実した2日間にしましょう。一緒に代表世話人をしていただく塩田直史先生・神田倫秀先生と共に、盛会となるよう準備を進めていきたいと思います。皆様のご参加をこころよりお待ちしております。

新潟大学医歯学総合病院
高次救命災害治療センター
普久原朝海